梅雨の頃のある日、お休みだった娘が「私も写真撮りたい!」と言うので、私はLX、娘はME、同じフィルムを詰めて行き先も決めずに家を出た。すぐにポツポツと雨が降り始めたので、雨→紫陽花という単純な発想で筥崎宮へ。
紫陽花はちょうど見頃だった。
写真を撮る娘の後姿を眺めながら、母のことを思い出した。
母の通夜の前の夜、兄とふたり、母の部屋の古いアルバムを引っ張り出して見ていた。斎場の方から、読経が始まるまでの間、母の写真をスライドショーで流すので10枚くらい選んで持って来て下さいと言われたからだ。いまどきはそうなんだね。
しかし、たくさんあるアルバムの中で、母の写っている写真がとても少ない事に気がついた。写っていても隅のほうに遠慮がちに小さく写っているだけで、他はおそらく母が撮っていたと思われる写真ばかり。
その時まで改めて考えた事が無かったけれど、母は写真を撮るのが好きだったのかも知れない。
今も我が家のリビングに飾ってある、20年以上前の写真。
まだオムツ(正しくはトレーニングパンツ。笑)をしている息子と、セーラームーンの人形を抱いている娘。
これも、母が遊びに来た時に撮ってくれたものだ。ずっと使っていたカメラが壊れちゃったから、奮発して新しいの買ったのと嬉しそうにPENTAXのコンパクトカメラを見せてくれた。
そのカメラがテレビの横の引き出しに入っていた。7年間入れっぱなしだったからケースは埃だらけだったけど、電源を入れてみるとちゃんと動く。大事にしていた時計や裁縫道具と一緒に持って帰ってきた。
母の部屋にあった古いアルバムに貼られた、兄や私の写真。
あの頃母は何を思いながらカメラを構えていたんだろう。
ああ、お母さんの写真を撮りたい、と思ったよ。
>あきちゃん
あきちゃんのコメント読んで、
あ〜撮ればよかった。。。って今更ながら思ったよ。
いっぱいいっぱい撮ってあげて(*^_^*)